猫の睡眠時間はなぜ16時間?驚きの睡眠メカニズムと猫カフェでの観察ポイント

猫の睡眠時間はなぜ16時間?驚きの睡眠メカニズムと猫カフェでの観察ポイント

健康・病気 投稿: 2025年10月19日   更新: 2025年11月02日

猫の睡眠時間はなぜ16時間?驚きの睡眠メカニズムと猫カフェでの観察ポイント

猫は本当に一日中寝ているの?

「うちの猫、いつ見ても寝てるんだけど...大丈夫かな?」

そんな心配をしたこと、ありませんか?朝起きたら寝てる。仕事から帰ってきても寝てる。夜も寝てる。「この子、病気なんじゃ...」って不安になりますよね。

でも、安心してください。それ、実は正常なんです。猫カフェを訪れると、いつも寝ている猫たちを見かけるのも、当たり前の光景。猫の平均睡眠時間は1日12〜16時間。なんと、人生の約3分の2を睡眠に費やしているんです。

「え、そんなに!?」って思いますよね。人間の睡眠時間が7〜8時間なのと比べると、倍以上。でも、これには理由があるんです。にゃんこDB事務局が、猫の睡眠の秘密と、猫カフェでの観察ポイントを詳しくご紹介します。

なぜ猫はこんなに寝るのか

野生の本能が今も残っている

猫がたくさん寝る理由、それは野生時代の習性が深く関係しているんです。

野生の猫の生活を想像してみてください。獲物を見つけたら、全速力で追いかける。一瞬の瞬発力で仕留める。これ、物凄いエネルギーを使います。でも、狩りの時間って、実は1日のうちほんのわずか。残りの時間は、次の狩りに備えてエネルギーを温存する必要があったんです。

エネルギー温存のための睡眠:
  • 狩りに備えて体力を蓄える(いつでも全力ダッシュできるように)
  • 短時間の狩りに全力を注ぐ(瞬発力が命)
  • 獲物がいない時は休息(無駄なエネルギーを使わない)
  • 効率的なエネルギー管理(野生の知恵)

今の飼い猫は狩りをしなくても、ご飯がもらえます。でも、体に染み付いた本能は変わりません。だから、たくさん寝るんです。「寝てばかりいる」んじゃなくて、「そういう生き物」なんですね。

猫の睡眠には2つのタイプがある

実は、猫の睡眠は人間と同じように、浅い眠りと深い眠りがあるんです。

寝ている猫をよく見てください。耳がピクピク動いたり、ひげが反応したり。「あれ、起きてる?」って思うこと、ありませんか?でも、目は閉じてる。これが、浅い眠り(レム睡眠)なんです。

レム睡眠(浅い眠り):
  • 全睡眠時間の約75%(ほとんどがこれ)
  • 筋肉は弛緩しているが、脳は活動している
  • 夢を見ている可能性が高い(足がピクピク動くのは、夢で走ってるのかも)
  • すぐに目覚めることができる(何かあったら即座に対応)

一方、深い眠り(ノンレム睡眠)の時は、完全にリラックス。呼吸も穏やかで、少しの物音では起きません。

ノンレム睡眠(深い眠り):
  • 全睡眠時間の約25%(意外と少ない)
  • 脳も体も完全に休息状態
  • 成長ホルモンの分泌(子猫は特に大事)
  • 完全にリラックス(安心しきっている証拠)

猫の睡眠の75%は浅い眠り。これ、野生の名残なんです。いつでも逃げられるように、危険を察知できるように。賢いですよね。

年齢による睡眠時間の違い

子猫(0〜6ヶ月):赤ちゃんは寝るのが仕事

睡眠時間:18〜20時間

子猫を飼ったことがある方、分かりますよね。「さっき起きたと思ったら、もう寝てる!」って。でも、これは正常なんです。

子猫は、成長に物凄いエネルギーを必要とします。骨が伸びて、筋肉が発達して、脳が成長して...全部、睡眠中に起こるんです。睡眠中に成長ホルモンが分泌されて、体の発育を促進します。

「寝る子は育つ」って、本当なんですね。子猫が1日20時間寝ても、心配しないでください。それが健康な証拠です。

成猫(1〜7歳):元気いっぱいでも半分は寝てる

睡眠時間:12〜16時間

一番活動的な時期の成猫。でも、それでも1日の半分以上は睡眠に費やします。

朝、元気に走り回って、おもちゃで遊んで、エネルギーを使い果たしたら、ぐっすり寝る。これが猫の健康的な生活リズムです。「狩りごっこ(遊び)」の後は、しっかりと休息を取るんです。

シニア猫(8歳以上):ゆっくり休む時間が増える

睡眠時間:16〜20時間

高齢猫を飼っている方、「最近、寝てばかりで心配...」って思っていませんか?

大丈夫です。これも自然なことなんです。人間も年を取ると疲れやすくなりますよね。猫も同じ。体力が低下するから、より多くの休息が必要になります。

むしろ、たくさん寝て体力を温存することで、健康を維持しているんです。無理に遊ばせようとしなくても大丈夫。猫のペースで、ゆっくり過ごさせてあげてください。

猫の睡眠パターンの特徴

猫は「薄明薄暮性」の生き物

「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」って、聞いたことありますか?難しい言葉ですが、簡単に言うと、明け方と夕方に活動的になる生き物のことです。

だから、早朝4時に「ニャー!」って起こされたり、夕方に急に走り回ったり。「うちの猫、変だな」って思うかもしれませんが、これは正常なんです。

猫が活動的な時間帯:
  • 早朝(4時〜7時):「ご飯ちょうだい!」の大合唱タイム
  • 夕方(17時〜20時):「運動会」が始まる時間

なぜこの時間帯?:
  • 野生での獲物(ネズミや小鳥)が活動する時間
  • 気温が適度で活動しやすい
  • 薄暗い中でも見える視覚的優位性を活かせる

だから、昼間はずっと寝てて、夜中に走り回る。「夜行性」じゃないんです。「薄明薄暮性」なんですね。

短い睡眠を何度も繰り返す

人間は、夜にまとめて7〜8時間寝ますよね。でも、猫は違います。

猫の睡眠は「多相性睡眠」と呼ばれます。つまり、短い睡眠を1日に何度も繰り返すんです。

多相性睡眠の特徴:
  • 1回の睡眠は15〜30分程度(短い!)
  • 1日に何度も寝たり起きたりを繰り返す
  • 環境に応じて柔軟に調整できる

「さっき寝てたのに、もう起きてる。でも、また寝てる」って思うこと、ありますよね。それが普通なんです。

猫カフェでの睡眠観察ポイント

寝姿でわかる猫の気持ち

猫カフェで寝ている猫を見ると、色んな寝方をしていますよね。実は、寝姿で猫の気持ちや安心度が分かるんです。これ、知ってるともっと楽しくなりますよ。

丸まって寝る:
  • 体温を保持している(寒い時に多い)
  • ある程度安全を感じている
  • リラックス度:中程度

一番よく見る寝姿ですね。くるんと丸まって、しっぽで鼻を隠す。可愛いですよね。

横向きで寝る:
  • 快適な温度(暑すぎず寒すぎず)
  • 安心している環境
  • リラックス度:高

体を伸ばして、横になって寝ているのは、かなりリラックスしている証拠です。

仰向けで寝る(へそ天):
  • 完全に安心している(最高レベル)
  • 暑い時期に多い(お腹で放熱)
  • リラックス度:最高

これを見たら、ラッキーです!お腹は猫の最大の急所。それを見せるということは、完全に安心しきっている証拠。猫カフェでこの寝姿を見たら、そのお店は猫にとって最高に居心地がいい場所ってことです。

香箱座りで寝る:
  • すぐに動ける態勢(前足を体の下に入れてる)
  • 軽い休憩状態(本格的な睡眠じゃない)
  • リラックス度:低

「寝てるのかな?」って思う座り方。目は閉じてるけど、何かあったらすぐ動けるように準備してるんです。

寝場所の選び方にも理由がある

猫カフェで寝ている猫を見ると、色んな場所で寝てますよね。キャットタワーの上、日向、狭い箱の中...実は、寝場所にも意味があるんです。

高い場所で寝る猫:
  • 安全性を確保したい(高いところは安全)
  • 全体を見渡せる(警戒しながら休んでる)
  • 天敵から身を守る本能(野生の名残)

キャットタワーの一番上で寝てる猫、よく見ますよね。あれ、「ここなら安全だ」って思ってるんです。

日当たりの良い場所で寝る猫:
  • 体温調節(暖かくて気持ちいい)
  • ビタミンDの生成(日光浴は健康にいい)
  • 心地よい暖かさ(猫は暖かいのが好き)

窓際で日向ぼっこしながら寝てる猫、最高に幸せそうですよね。

狭い場所で寝る猫:
  • 安心感(体にフィットする空間)
  • 外敵から身を隠す(本能)
  • 落ち着く(守られている感じ)

箱や紙袋に入って寝てる猫。「そんな窮屈な場所で...」って思いますが、猫にとっては最高に落ち着く場所なんです。

柔らかい場所で寝る猫:
  • 快適性の追求(気持ちいい)
  • 体圧分散(体が楽)
  • 母猫を思い出す感触(安心する)

クッションやブランケットで寝てる猫。ふわふわが大好きなんですね。

睡眠中の不思議な行動

寝ながらピクピク動く

寝ている猫の足が、急に「ピクッ、ピクッ」って動くこと、見たことありませんか?初めて見た時は、「痙攣!?大丈夫!?」ってビックリしますよね。

でも、安心してください。これ、夢を見てるんです。

ピクピク動く理由:
  • レム睡眠中の現象(浅い眠りの時)
  • 夢を見ている可能性が高い
  • 狩りの夢かも(走ってる、獲物を追いかけてる)

可愛いですよね。夢の中で、一生懸命走ってるのかも。

小さな鳴き声を出す

「ニャ...」「ムニャ...」って、寝ながら小さく鳴くこと、ありますよね。これも、寝言です。猫も寝言を言うんです。

寝言の理由:
  • 夢の中での会話(誰かと話してるのかも)
  • 子猫時代の記憶(母猫を呼んでる?)
  • 飼い主との交流の夢(「遊んで〜」って言ってるのかも)

どんな夢を見てるんでしょうね。聞いてみたいですよね。

ひげや耳が動く

寝ているはずなのに、ひげや耳がピクピク動く。これ、周囲の音を感知しているんです。

動く理由:
  • 周囲の音を感知(レーダーのように)
  • 警戒心は維持している(何かあったらすぐ起きれる)
  • 浅い眠りのサイン(レム睡眠中)

寝てるようで、実は周りを警戒してる。賢いですよね。

いびきをかく猫もいる

「グーグー」って、猫がいびきをかくこと、あるんです。初めて聞いた時は、ビックリしますよね。

正常ないびき:
  • ペルシャなど鼻の短い猫種(構造上、かきやすい)
  • リラックスしている証拠(深く眠ってる)
  • 軽い音(「グー」程度)

注意が必要ないびき:
  • 急に始まった大きないびき(何か変化があったかも)
  • 呼吸困難を伴う(苦しそう)
  • 肥満が原因の場合も(気道が狭くなる)

急に大きないびきをかき始めたら、念のため獣医師に相談してください。

猫カフェで寝ている猫への接し方

絶対にやってはいけないこと

猫カフェで、可愛く寝ている猫を見つけたら...触りたくなりますよね。でも、ちょっと待ってください。

絶対NG行動:
  • 急に触る:びっくりして、トラウマになることも
  • 大きな音を立てる:ストレスになります
  • 無理に起こす:睡眠不足の原因に
  • フラッシュ撮影:目に悪影響

寝ている猫を無理に起こすと、ストレスを与えてしまいます。人間だって、熟睡中に起こされたら嫌ですよね。猫も同じです。

おすすめの観察方法

じゃあ、どうすればいいのか。答えは、静かに見守ること。

静かに観察する楽しみ方:
  • 少し離れた場所から眺める(じっくり観察)
  • 寝顔の撮影はそっと(音を消して)
  • 寝姿の変化を楽しむ(丸まってた猫が、伸びたりする)
  • 起きるのを待つ(焦らない)

起きた時がチャンス:
  • あくびの瞬間を撮影(激レア写真!)
  • 伸びをする姿も可愛い(前足を伸ばして、お尻を上げる)
  • 寝起きは比較的穏やか(まだボーッとしてる)
  • 優しく声をかける(「起きた?」って)

寝起きの猫は、ちょっとボーッとしていて、警戒心が薄れています。この時が、実は触れるチャンス。優しく声をかけて、猫が寄ってきたら、そっと撫でてみてください。

良質な睡眠のための環境づくり

猫カフェでの工夫

にゃんこDB事務局が取材した猫カフェでは、猫たちが安心して眠れるように、色んな工夫をしているんです。

睡眠スペースの確保:
  • 静かなエリアを設置(「お休みエリア」など)
  • 個別の寝床を用意(それぞれのお気に入りの場所)
  • 温度管理の徹底(暑すぎず寒すぎず)
  • 適度な照明調整(明るすぎない)

ストレス軽減:
  • 来客数の制限(多すぎると疲れる)
  • 休憩時間の設定(スタッフタイムを設ける)
  • スタッフによる見守り(様子を常にチェック)
  • 猫の意思を尊重(寝たい猫は寝かせる)

プロのお店は、本当に猫のことを考えているんですね。

家庭での参考ポイント

理想的な寝床づくり

猫カフェの工夫は、家庭でも参考になります。愛猫に快適な睡眠環境を作ってあげましょう。

場所選び:
  • 静かで落ち着ける場所(テレビの近くは避ける)
  • 直射日光が当たらない(暑くなりすぎる)
  • 風通しが良い(でも、隙間風は避ける)
  • 人の動線から外れた場所(人が通らない場所)

寝具の選び方:
  • 体がすっぽり収まるサイズ(大きすぎない)
  • 洗える素材(清潔に保てる)
  • 季節に応じた素材(夏は涼しく、冬は暖かく)
  • 猫の好みを観察(箱が好き?クッションが好き?)

猫によって好みが違うので、色々試してみてください。

睡眠に関する豆知識

世界の猫の睡眠事情

面白いことに、住んでいる場所によって、猫の睡眠時間や寝方が少し違うんです。

気候による違い:
  • 暑い地域:昼間の睡眠が長い(暑い時は動かない)
  • 寒い地域:丸まって寝る時間が長い(体温保持)
  • 都市部:人間の生活リズムに適応(夜型になることも)

飼い猫と野良猫の違い:
  • 飼い猫:安心して深く眠れる(安全な環境)
  • 野良猫:警戒心から浅い眠りが多い(常に危険と隣り合わせ)
  • 睡眠の質に大きな差がある

飼い猫が幸せそうに寝てるのは、あなたが安全な環境を作ってくれているからなんです。

睡眠不足のサイン

猫も、睡眠不足になることがあります。こんなサインが出ていないか、チェックしてみてください。

睡眠不足の症状:
  • イライラしやすい(些細なことで怒る)
  • 食欲の低下(元気がない)
  • 遊ばなくなる(疲れてる)
  • 隠れることが増える(ストレス)

原因:
  • 環境の変化(引っ越し、模様替え)
  • ストレス(来客、工事の音)
  • 騒音(近所の工事、夜中の物音)
  • 他の猫との相性(多頭飼いの場合)

こういうサインが出たら、環境を見直してあげてください。

まとめ

猫が1日16時間も寝るのは、決して怠けているわけではありません。野生の本能と、効率的なエネルギー管理のためなんです。むしろ、たくさん寝ているのは健康な証拠。

猫カフェで寝ている猫を見かけたら、それは猫にとって自然で健康的な姿です。「寝てばかりでつまらない」なんて思わないでください。無理に起こさず、そっと観察を楽しみましょう。

覚えておきたいポイント:
  • 猫の睡眠時間は12〜16時間が正常
  • 子猫とシニア猫はもっと長い(18〜20時間)
  • 睡眠の75%は浅い眠り(警戒しながら寝てる)
  • 寝姿で安心度が分かる(へそ天は最高レベル)
  • 寝ている猫は起こさない(ストレスになる)

寝姿や寝場所から、猫の気持ちを読み取ることもできます。次回猫カフェを訪れた際は、寝ている猫たちの様子もじっくり観察してみてください。

丸まって寝てる猫、横になって寝てる猫、へそ天してる猫...それぞれの寝姿に、それぞれの意味があります。きっと新しい発見があるはずです。

猫の睡眠は、猫を理解する大切な鍵。ゆっくり観察して、猫との絆を深めてくださいね。


この記事は、にゃんこDB事務局が作成しました。

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