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スコットランドのヤマネコ、野生に戻した数が50頭に|絶滅寸前からの再導入計画「Saving Wildcats」とは?

更新 2026年09月30日 読了 5分
スコットランドのヤマネコ、野生に戻した数が50頭に|絶滅寸前からの再導入計画「Saving Wildcats」とは?

イギリス・スコットランドで、絶滅の危機にあるヤマネコを野生に戻す取り組みが節目を迎えました。2026年9月28日の Deadline News の報道によると、この夏に4頭をケアンゴームズ国立公園に放し、2023年からの合計が50頭になりました。放したメスが野生で子どもを産むことも、3年続けて確かめられています。この記事では、節目の中身とあわせて、この取り組み「Saving Wildcats(セービング・ワイルドキャッツ)」がどんな計画なのかを紹介します。

スコットランドのヤマネコとは

スコットランドにすむヤマネコは、ヨーロッパヤマネコの仲間です(図鑑のヨーロッパヤマネコのページでも、スコットランドの集団の危機に触れています)。イエネコ(家猫)より少し大きく、はっきりしたしま模様と、先の黒い太い尾をもちます。

かつてはイギリス全体に広く暮らしていましたが、生息地が失われ、人に追われたことで数を減らし、1880〜1890年代にはスコットランドの北と西に追いやられました。

なぜ絶滅寸前なのか:イエネコとの交雑

いま最大の脅威とされているのは、イエネコとの交雑です。野生化した猫や飼い猫との間に子どもが生まれると、ヤマネコとしての特徴を保った集団が保ちにくくなります。2019年、IUCN(国際自然保護連合)のネコ科の専門家グループがまとめた報告書は、スコットランドにはもう自力で存続できる野生の集団がいないと結論づけ、野生の集団を「機能的に絶滅」とみなしました。同じ専門家グループによると、スコットランドでは野外にいる猫の8割以上が交雑した個体か野良猫とされています(図鑑のヨーロッパヤマネコのページより)。

取り組み「Saving Wildcats」とは

こうした状況を受けて2020年に始まったのが、スコットランド王立動物学協会(RZSS)が中心となる「Saving Wildcats」です。流れは大きく3つに分かれます。

  • 繁殖:2021年、ハイランド野生動物公園(アビモア近く)の非公開の区域に、イギリスで初めての「野生に戻すための保全繁殖施設」が完成しました。繁殖のほか、獣医療や、離れた場所からの見守りも行っています
  • 放す:2023年3月に自然保護の公的機関 NatureScot が許可を出し、同じ年の夏からケアンゴームズ国立公園で放し始めました。放した数は2023年に19頭、2024年に9頭、2025年に18頭で、2025年までの合計は46頭です
  • 見守る:放すヤマネコには GPS 付きの首輪を付け、居場所のデータや、森に置いたカメラの映像で様子を確かめています

計画には、NatureScot、スコットランド森林土地局、ケアンゴームズ国立公園局、スウェーデンの動物園 Nordens Ark、スペインのアンダルシア州政府、猫の保護団体 Cats Protection などが加わっています。これまでの資金は主に EU の LIFE プログラムでまかなわれてきました。2026年には、スコットランド政府の自然再生の基金から40万ポンド超が出ています。

50頭の節目と、野生で生まれる子どもたち

報道によると、今回の50頭は、2025年までの46頭(公式の発表)に、この夏の4頭が加わった数です。4年で50頭を放したことは、この計画の大きな節目です。

もう1つの明るい知らせが、野生での出産です。放したメスが子どもを産んだことは2024年と2025年に続いて、2026年も確かめられました。2026年6月2日には、放したメスが子猫を運ぶ姿がトレイルカメラに写っています。2025年までに、少なくとも9頭のメスが野生で子どもを産んだことが確かめられています。2025年に発表された研究でも、最初の年(2023年)に放した個体の生き残りと繁殖は、予想を上回ったとされています。NatureScot の専門家は「野生の数が増えることは、再導入の取り組みで最も励みになるしるしの一つ」と述べています。

EU の LIFE プログラムの資金による段階は2026年10月で終わり、11月からは第2段階が予定されています。

イエネコとの関わりから考える

この計画では、Cats Protection と組んで、野外の猫を捕まえて不妊去勢とワクチンをしてから元の場所に戻す取り組み(TNVR)も進めています。交雑と、イエネコからうつる病気を減らすためです。野生のネコ科を守る話は、身近なイエネコとも深くつながっています。

このニュースから知っておきたいこと

  • 野生のネコ科にとって、イエネコとの交雑は大きな脅威になりうる
  • イエネコの不妊去勢やワクチンが、野生のネコ科を守る取り組みの一部になっている例がある
  • 見た目がよく似たヤマネコとイエネコの違いは、ヨーロッパヤマネコのページや野生のネコ科の一覧で見比べられる

絶滅寸前とされたスコットランドのヤマネコは、施設で育て、森に放し、見守るという地道な積み重ねで、少しずつ野生に戻りつつあります。次の段階の歩みも、にゃんこデータベースで追っていきます。

参考文献

この記事は、公開されている一次資料をもとに AI の支援で作成し、編集者が内容を確認したうえで公開しています。画像は AI で生成したイメージです。

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