エジプトから中東、中央アジア、南アジア、東南アジアにかけて分布する野生ネコです。家猫より大きく脚の長い体つきで、湿地や水辺のヨシ原を好むことから、日本語ではヨシネコとも呼ばれます。家猫と同じネコ属の仲間で、猫種チャウシーは、この種と家猫の交配から作られました。IUCN レッドリストでは低懸念(LC)です。
ジャングルキャット Jungle cat
Felis chaus Schreber, 1777
水辺のヨシ原を好む、脚の長い野生ネコ
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概要
基本データ
| 学名 | Felis chaus |
|---|---|
| 命名者 | Schreber, 1777 |
| 分類 | ネコ亜科 / イエネコ系統 / Felis |
| 階級 | 種 |
| 頭胴長 | 58〜76 cm |
| 尾長 | 21〜27 cm |
| 体重 | 5〜9 kg |
| 分布 | アフリカ・アジア・ヨーロッパ |
| 生息環境 | 湿地・草原 |
| 活動時間 | 昼行性・夜行性 |
| IUCN レッドリスト | LC 低懸念 |
| ワシントン条約 | 附属書II |
| 国内の指定 | 特定動物(動物愛護管理法) |
見た目の特徴
頭から胴までが58〜76cm、体重は5〜9kgほどで、オスはメスよりかなり大きくなります。毛は砂褐色や赤褐色、灰色などで目立つ模様はなく、脚の上部に縞があります。耳は大きく、裏が赤みがかっていて、先に短い黒い房毛があります。尾は短めで、頭胴長の3分の1ほどです。冬毛は夏毛より濃く、密になります。
生態
単独で暮らし、昼も夜も活動します。木登りも泳ぎも得意です。主な獲物は1kg未満のネズミの仲間で、1年に約1,500匹のネズミを食べるという推定もあります。鳥、カエル、トカゲ、昆虫なども食べ、人里の近くでは家禽を襲うこともあります。妊娠期間は63〜68日ほどで、1回に3〜4頭の子を産みます。
分布と生息環境
エジプトから、中東、ロシア南部を含むコーカサス地方、中央アジア、インド亜大陸、スリランカ、東南アジア、中国南部まで分布します。2017年の分類では、F. c. chaus、F. c. affinis、F. c. fulvidina の3亜種に分けられています。
湿地やヨシ原、川沿いの茂み、低木林や草地を好み、サトウキビ畑などの農地も利用します。多くは標高1,000m未満にすみますが、ヒマラヤでは4,000mの記録もあります。
家猫との関係
猫種チャウシーは、ジャングルキャットと家猫を交配して作られました。TICA(国際猫協会)では1995年に登録され、2013年にチャンピオンシップの対象になりました。古代エジプトの猫のミイラの中にジャングルキャットが含まれていたという報告もあります。
関係する猫種
ペットとして飼える?
ジャングルキャット は野生動物で、ペットとして飼うべき動物ではありません。見た目が家猫に似ていても家庭での暮らしには向かず、多くの国で捕獲や取引が法律や条約で規制されています。野生の姿を知り、すみかの森や草原を守ることが、この動物のためにできることです。
保全状況
IUCN レッドリストでは低懸念(LC)と評価されていますが、個体数は減少傾向とされています。地域によっては状況が厳しく、中国では絶滅危惧(EN)、イスラエルでは危急(VU)とされ、コーカサス地方では1960年代から減り続けています。わなや毒餌、湿地の開発やダム建設による生息地の破壊、毛皮の違法取引、交通事故、家禽の被害をめぐる人との対立が主な脅威です。ワシントン条約では附属書IIに掲載されています。
発見と記載
1776年に博物学者ギュルデンシュテットが「Chaus」の名で報告した個体をもとに、1777年にドイツの博物学者シュレーバーが学名 Felis chaus をつけました。かつては最大10亜種に分けられていましたが、2017年の分類で3亜種に整理されました。
豆知識
- 英語では swamp cat(沼のネコ)とも呼ばれます
- 耳の先には、長さ1.5cmほどまでの短い黒い房毛があります
- サトウキビ畑など、人の暮らしの近くでも見られます
よくある質問
日本では動物愛護管理法の特定動物に指定されており、2020年6月1日から、新たに愛玩目的で飼うことは禁止されています。動物園などが飼う場合も、都道府県知事などの許可が必要です。
チャウシーは、ジャングルキャットと家猫の交配を起源とする猫種です。TICA(国際猫協会)では2013年にチャンピオンシップの対象になりました。
名古屋市の東山動植物園で飼育されています(2026年8月時点の園の情報に基づく)。展示の状況は変わることがあるので、訪れる前に園の情報を確認してください。
湿地や水辺のヨシ原を好んですむためです。