猫の目の色は全部で何色?瞳の色が決まる仕組みと希少な虹彩異色症

猫の目の色は全部で何色?瞳の色が決まる仕組みと希少な虹彩異色症

その他 投稿: 2025年10月07日   更新: 2025年10月10日

猫の目の色は全部で何色?瞳の色が決まる仕組みと希少な虹彩異色症

宝石のような美しい瞳の秘密

猫カフェでいろいろな猫と出会った時、その瞳の色の多様性に驚いたこと、ありませんか?エメラルドのような深い緑、サファイアを思わせる透き通った青、琥珀のような温かなオレンジ...。まるで宝石箱を覗いているような、その美しさ。

実はこの瞳の色、ただ美しいだけではなく、科学的な理由があって決まっているんです。遺伝によって、メラニン色素の量や分布が決まり、それが瞳の色を作り出す。不思議ですよね。にゃんこDB事務局が、猫の瞳の色の種類と、その決まる仕組み、そして左右で色が違う神秘的な虹彩異色症(オッドアイ)について、詳しくわかりやすく解説していきます。

猫の目の色を決める要素って何?

メラニン色素が鍵を握っている

猫の瞳の色を決めるのは、主に「メラニン色素」という物質です。これ、人間の肌の色や髪の色を決めるのと同じもの。メラニン色素が多ければ多いほど、瞳の色は濃くなります。

メラニンが少ないと青色に見え、たくさんあると茶色や黄色に。そしてその中間くらいの量だと、緑色になるんです。さらに、メラニンの分布パターン、つまり虹彩のどこにどのくらい色素があるかによっても、見え方が変わります。

そして面白いのが、光の散乱という物理現象。実は青い目は、青い色素があるわけではないんです。メラニンが少ない虹彩に光が当たると、散乱して青く見える。空が青いのと同じ原理なんですよ。これらすべてが、両親から受け継いだ遺伝子の組み合わせによって決まっているんです。

虹彩の構造を知ると、もっと面白い

虹彩って、実は層になっているんです。前面には「間質」という、メラニン色素を含む層があります。後面には「色素上皮」という、濃いメラニンがぎっしり詰まった層。この2つの層で、光が反射したり吸収されたりして、私たちが見る瞳の色が生まれるんです。

青い目の猫を見ると、「わあ、きれいな青色の色素があるんだな」と思いますよね。でも実は違う。青い目は、色素がほとんどないから、光が散乱して青く見えているだけなんです。なんだか不思議な感じがしませんか?自然の仕組みって、本当に興味深いですね。

猫の目の色、基本の7色を見てみましょう

1. ブルー(青):空のような透明感

青い瞳、美しいですよね。シャムやラグドールの猫を見たことがある人なら、あの透き通るような青い目に魅了されたはず。この青い目は、実はメラニン色素がほとんどない状態。光が散乱することで、あの美しい青色が生まれているんです。

面白いことに、どの猫も子猫の時は青い目なんです。生まれてすぐの子猫の目は、まだメラニン色素が十分に形成されていないから、みんな青い目。それが成長するにつれて、遺伝子が指示する本来の色に変わっていきます。

青といっても、スカイブルーのような明るい青、サファイアブルーのような深い青、アイスブルーのような透明感のある青...いろんなバリエーションがあるんですよ。

2. グリーン(緑):エメラルドの輝き

緑色の目、これは比較的珍しいんです。ロシアンブルーという品種をご存知ですか?あのグレーの毛並みと、エメラルドグリーンの瞳のコントラストが、本当に美しい。

緑色は、中程度のメラニン量がある時に現れます。黄色の光と青の光が光学的に混ざり合って、緑色に見えるんです。エメラルドグリーンのような深い緑、ジェイドグリーンのような優しい緑、黄緑色のような明るい緑...。同じ緑でも、個体によって微妙に違うのが面白いところです。

3. イエロー(黄):最もよく見かける色

黄色い目は、猫の中で最も一般的な色の一つです。野良猫を見かけた時、多くが黄色い目をしているんじゃないでしょうか。これも中程度のメラニン量があるときに現れます。

レモンイエローのような明るい黄色、ゴールドのような金色に近い黄色、薄黄色のような淡い色...。光の当たり方によって、金色に輝いて見えることもあるんです。シンプルだけど、見飽きることのない美しさがあります。

4. アンバー(琥珀):温かみのある色合い

琥珀色、これは日本猫によく見られる色です。イエローとオレンジのちょうど中間くらいの、温かみのある色。琥珀という宝石をご存知ですか?まさにあんな感じの、深みのある美しい色なんです。

この色の面白いところは、光の当たり方によって色が変わって見えること。太陽光の下では明るいオレンジ色に、室内の照明では黄色っぽく見えたり。見る角度や時間帯によって、いろんな表情を見せてくれる瞳なんです。

5. オレンジ(橙):銅色の深み

オレンジ色の目は、比較的多めのメラニン量がある証拠。銅色に近い、深みのある色です。メインクーンという大型の品種などによく見られます。

この色の魅力は、その深み。浅いオレンジではなく、奥行きのある、複雑な色合い。じっと見つめると、まるで吸い込まれそうな感覚さえあります。猫カフェで出会えたら、ぜひじっくり観察してみてください。

6. カッパー(銅):最も濃い色

銅色の目は、メラニン色素が高い濃度で存在する時に現れます。赤褐色とも言えるこの色は、ペルシャ猫などによく見られます。猫の目の色の中でも、最も濃い部類に入るんです。

この色の猫を正面から見つめると、その瞳の強さに圧倒されることがあります。まるで炎のような、情熱的な印象を与える色。一度見たら忘れられない、印象的な瞳です。

7. ヘーゼル(淡褐色):複雑な色合い

ヘーゼルは、緑と茶の混ざり合った、複雑な色。光によって色が変わって見えるのが特徴です。ある角度から見ると緑っぽく、別の角度から見ると茶色っぽく見える。個体によって色の出方が全然違うのも、この色の面白いところ。

猫カフェでこの色の猫に出会ったら、ぜひいろんな角度から観察してみてください。見る角度を変えるたびに、違う表情を見せてくれますよ。

特別な瞳:オッドアイの神秘

左右で色が違う不思議

オッドアイ、正式には「虹彩異色症」といいます。これは左右の目の色が違う状態のこと。例えば、片方が青で片方が黄色、片方が青で片方が緑、片方が緑で片方が琥珀...。

この特徴は、特に白猫に多く見られます。白猫の約25%がオッドアイだといわれていて、その他の猫では約0.5%程度。かなり珍しいんです。遺伝的な要因が強く関係しています。

日本では、オッドアイの猫は「幸運を呼ぶ」といわれて、昔から大切にされてきました。確かに、その神秘的な瞳を見ていると、何か特別な力があるような気がしてきませんか?

聴覚との意外な関係

ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。オッドアイの猫、特に青い目の側の耳が聞こえないことがあるんです。確率としては、約65〜85%。先天性の聴覚障害の可能性があるということ。

これは病気ではなく、遺伝的な特徴。青い目を作る遺伝子と、内耳の発達に関わる遺伝子が関連しているためです。もし猫カフェでオッドアイの猫に会って、呼びかけても反応が薄かったら、もしかしたらその子は耳が聞こえないのかもしれません。優しく接してあげてくださいね。

さらに珍しい、ダイクロイックアイ

オッドアイよりもさらに珍しいのが、ダイクロイックアイ。これは、一つの虹彩の中に2色が混在している状態です。扇状に色が分かれていたり、まだら模様になっていたり。部分的虹彩異色症とも呼ばれます。

これは本当に珍しくて、猫カフェで働いているスタッフさんでも、実際に見たことがある人は少ないかもしれません。もし出会えたら、それはとってもラッキーなことなんですよ。

年齢とともに変わる瞳の色

子猫の目はみんな青い

さっきも少し触れましたが、全ての子猫は青い目で生まれます。これを「キトンブルー」(子猫青)と呼ぶんです。生まれてから2週間くらいは目を閉じていて、2〜3週間で開きます。その時の目は、みんな美しい青色。

でも6〜8週間くらいになると、だんだん色が変わり始めます。メラニン色素が形成されてきて、遺伝子が指示する本来の色に変化していくんです。そして3〜6ヶ月で、成猫の目の色に確定します。

子猫の時期に青い目だったからといって、成猫になっても青いとは限らない。この変化を見守るのも、子猫を育てる楽しみの一つなんですよ。

高齢猫の目の変化

猫も年を取ると、目に変化が現れます。虹彩の色素が薄くなって、若い頃より淡い色になることも。白内障で目が濁ってくることもあります。瞳孔の反応も鈍くなって、緑内障のリスクも増えてきます。

もし飼っている猫や、猫カフェで長く通っている猫の目に変化を感じたら、気をつけて見守ってあげてください。必要なら、獣医さんに相談することも大切です。

品種によって決まる瞳の色

青い目の代表選手たち

シャムといえば、あの透き通るような青い目。バーマン、ラグドール、トンキニーズも、美しいブルーアイで知られています。これらの品種は、遺伝的に青い目を持つように固定されているんです。

緑の目の美猫たち

ロシアンブルーのエメラルドグリーンは、この品種の大きな魅力の一つ。エジプシャンマウ、ノルウェージャンフォレストキャットも、美しい緑色の目を持つことが多いです。

銅色の瞳を持つ猫たち

ペルシャ猫といえば、あの深い銅色の目。ブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアも、カッパー色の瞳を持つことが多いですね。

毛色と瞳の色の関係

面白いことに、毛色と瞳の色には相関関係があります。白猫は青い目やオッドアイが多く、黒猫は黄色や緑の目が多い。茶トラは黄色や琥珀色、三毛猫も黄色や緑が多いんです。

猫カフェでいろんな猫を見る時、「この毛色の子は、やっぱりこの目の色が多いな」なんて観察するのも楽しいですよ。

猫カフェで瞳を観察するコツ

光の条件が大事

猫の瞳の色を正確に見るには、光の条件がとても大切。一番いいのは、自然光の下で見ること。蛍光灯の下だと青みがかって見えるし、白熱灯の下だと黄色みがかって見えるんです。直射日光は、猫が眩しがるから避けましょう。

窓際の席を取って、柔らかい自然光の中で猫の瞳を観察する。これが最高の条件ですよ。

瞳孔の大きさで分かる気持ち

瞳の色だけでなく、瞳孔の大きさも観察してみてください。細い瞳孔の時は、明るい場所でリラックスしているか、何かに集中している証拠。丸く大きく開いた瞳孔は、暗い場所にいるか、興奮しているか、怖がっているか、何かに興味を持っている時。

瞳の色と瞳孔の状態を合わせて観察すると、猫の感情がより深く理解できるんです。「あ、この子、今興奮してるんだな」「リラックスしてるな」って分かると、猫との距離がぐっと縮まった気がしませんか?

健康な瞳、チェックしてみましょう

正常な瞳ってどんな感じ?

健康な猫の瞳は、左右対称の瞳孔で、透明度が高くてきれい。光に当てると、瞳孔がキュッと細くなる反応を見せます。充血もしていません。

こんな症状があったら要注意

瞳孔の大きさが左右で違う、目が濁っている、過度に涙が出る、目やにが多い、充血している...。こんな症状があったら、何か問題があるサインかもしれません。

猫カフェで気になる症状の猫を見かけたら、さりげなくスタッフさんに伝えてあげるといいですね。飼い猫なら、すぐに獣医さんに相談しましょう。目の病気は、早期発見が大切なんです。

遺伝の不思議な世界

親猫から子猫へ

瞳の色は遺伝します。でも、単純に「親が青なら子も青」というわけではないんです。優性遺伝子と劣性遺伝子があって、複数の遺伝子が関わっていて、時には不完全優性という複雑なパターンもあって...。

ざっくり言うと、両親が青い目なら子猫も青い目になる確率が高い。片親だけが青い目なら、約50%の確率で青い目の子猫が生まれる。両親が同じ色なら、子猫も同じ色になる確率が高い。親猫の目の色が違うなら、中間的な色の子猫が生まれることもある、という感じです。

遺伝って、本当に複雑で面白いですよね。

瞳にまつわる言い伝えと真実

世界の迷信、知ってますか?

日本では、オッドアイの猫は幸運を呼ぶといわれています。トルコでは、青い目の猫は神聖視されています。ヨーロッパでは昔、緑の目の猫は魔女の使いだと恐れられたこともあったそう。エジプトでは、金色の目は太陽神の使いと考えられていました。

こうした言い伝え、科学的根拠はないけれど、それぞれの文化における猫への思いが感じられて面白いですよね。

誤解を解いておきましょう

「青い目の猫は、みんな耳が聞こえない」って聞いたことありませんか?これ、誤解なんです。確かに確率は高いけれど、全ての青い目の猫が聞こえないわけではありません。

「目の色で性格が決まる」というのも迷信。瞳の色と性格には、科学的な相関関係はないんです。青い目だからおとなしい、黄色い目だから活発、なんてことはありません。性格は、遺伝や環境、育て方など、いろんな要因で決まるものなんですよ。

美しい瞳を写真に残すテクニック

撮影の基本コツ

猫の美しい瞳を写真に残したいですよね。そのためのコツをいくつか。まず、マクロモードを使って、瞳にぐっと近づいて撮影。フラッシュは絶対に使わない。猫が嫌がるし、赤目になってしまいます。

自然光で撮影するのがベスト。瞳に光を反射させる「キャッチライト」を入れると、生き生きとした表情になります。そして、ピントは必ず瞳に合わせて。瞳がぼやけていると、せっかくの美しさが台無しです。

色を正確に写すために

カメラの設定も大切。ホワイトバランスを調整して、実際の色に近づけましょう。露出補正も適切に。できればRAW形式で撮影すると、後から細かい調整ができます。ただし、後処理は最小限に。過度な加工は、猫本来の美しさを損なってしまいますから。

瞳の色を活用する方法

個体識別に使えます

猫カフェでたくさんの猫がいると、「あれ、この子誰だっけ?」ってなることありますよね。瞳の色は、個体識別にとても役立ちます。瞳の色と模様の組み合わせ、虹彩のパターン、左右の違いなど。

写真に撮って記録しておくと、「この子は琥珀色の目で、少し緑がかっている」なんて覚えられて便利ですよ。

健康管理にも応用できる

定期的に瞳を観察して、色の変化を記録しておくと、健康管理に役立ちます。透明度のチェック、瞳孔の反応の確認、写真で過去と比較...。何か変化があれば、早めに気づくことができるんです。

まとめ

猫の瞳の色は、ブルー、グリーン、イエロー、アンバー、オレンジ、カッパー、ヘーゼルの基本7色。それに加えて、オッドアイやダイクロイックアイといった特殊なパターンもあって、実に多様で美しいんです。

この美しい色彩は、メラニン色素の量と分布、そして光の物理的な性質によって生み出されています。青い目は色素が少ないから青く見え、黄色や茶色の目は色素が多いから濃く見える。緑の目はその中間。シンプルな原理だけど、それが作り出す美しさは無限大。

猫カフェを訪れた際は、ぜひ猫たちの瞳の色に注目してみてください。同じように見える黄色い目でも、よく見ると金色だったり琥珀色だったり、個体ごとに微妙な違いがあるんです。光の角度を変えて見ると、また違った色に見えることも。

この宝石のような瞳の美しさと多様性こそ、猫の大きな魅力の一つ。じっと見つめていると、まるで吸い込まれそうになる、あの神秘的な瞳。次に猫に会った時は、ぜひゆっくりと瞳を観察してみてくださいね。きっと新しい発見があるはずです。


この記事は、にゃんこDB事務局が作成しました。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

関連コラム

人気のコラム