猫の瞳の色の秘密!ブルー・グリーン・ゴールドが決まる遺伝学

猫の瞳の色の秘密!ブルー・グリーン・ゴールドが決まる遺伝学

その他 投稿: 2025年10月08日   更新: 2025年10月12日

猫の瞳の色の秘密!ブルー・グリーン・ゴールドが決まる遺伝学

瞳の色は、遺伝子が決めているんです

猫カフェでいろんな猫を見ていると、瞳の色の多様性に驚きませんか?透き通るような青、深いエメラルドグリーン、温かみのあるゴールド...。同じ猫なのに、どうしてこんなに色が違うんだろうって。

実は、猫の瞳の色は虹彩のメラニン色素の量と分布によって決まっていて、すべて遺伝的にコントロールされているんです。つまり、両親から受け継いだ遺伝子が、その子の瞳の色を決めている。にゃんこDB事務局が、猫の瞳の色が決まるメカニズムと、色ごとの特徴、そして健康との意外な関係まで、科学的に詳しく解説していきます。

まず基本から:瞳の色はどうやって決まる?

メラニンが全てを決める

瞳の色を決めるのは、メラニンという色素。これが鍵なんです。メラニンの量が少ないとブルー、中程度だとグリーン、多いとイエローからブラウンになります。さらに、メラニンがどこにどう分布しているかによっても、微妙に色が変わってくるんです。

面白いのは、光の散乱と吸収という物理現象が関わっていること。青い目は、実は青い色素があるわけじゃないんです。メラニンが少ない虹彩に光が当たって散乱することで、青く見えている。空が青いのと同じ原理なんですよ。

子猫から成猫への変化

知っていましたか?実は、どんな猫も生まれたときは青い目なんです。生後0〜2週間は目を閉じていて、2〜6週間で目が開きます。その時の瞳は、みんな青い。これを「キトンブルー」と呼ぶんです。

でも6〜8週間くらいになると、だんだん色が変わり始めます。メラニン色素が形成されてきて、遺伝子が指示する本来の色へと変化していくんです。そして生後3〜4ヶ月でほぼ確定して、1歳になる頃には完全に固定されます。子猫の時に青かったからといって、成猫になっても青いとは限らないんですね。

色ごとに見てみましょう:それぞれの特徴

ブルー(青):神秘的な透明感

青い瞳は、メラニン色素が極端に少ない状態。レイリー散乱という現象で青く見えているんです。シャム系の猫に多く見られて、白猫にも出現します。これ、実は温度感受性遺伝子というものが関わっているんですよ。

青い瞳は神秘的で、人気が高い色。透き通るような美しさに、誰もが魅了されます。

グリーン(緑):中間の美しさ

緑色の目は、メラニン量が中程度の時に現れます。黄色の光と青の光が光学的に混ざり合って、緑色に見えているんです。ロシアンブルーに典型的に見られる色で、比較的珍しい。年齢によって濃淡が変化することもあります。

特にエメラルドグリーンの瞳は、本当に美しい。宝石のような輝きがあるんです。

イエロー・ゴールド(黄・金):最もポピュラー

黄色からゴールドの瞳は、メラニンが豊富な証拠。日本猫に最も多く見られる色です。琥珀色とも呼ばれて、温かみのある印象を与えます。野生種に近い色で、多くの猫がこの瞳の色を持っているんです。

カッパー(銅):最も濃い茶色

銅色の瞳は、メラニンが最大量ある状態。ペルシャ猫に多く見られます。オレンジがかった深い茶色で、深みのある美しい色。これは品種改良の結果として固定された色で、特定の品種に見られる特徴なんです。

特別な瞳:珍しいパターン

オッドアイ(虹彩異色症):左右で違う色

オッドアイ、聞いたことありますか?これは左右の目の色が違う状態のこと。虹彩異色症とも呼ばれます。典型的なのは、片目が青で片目が黄色。白猫に多く見られる現象で、W遺伝子というものが関わっているんです。

オッドアイは非常に希少で、人気があります。日本では「幸運の猫」とされることもあるんですよ。ただし、一つ知っておいてほしいことがあります。オッドアイの猫には、聴覚障害のリスクがあるんです。これについては後ほど詳しく説明しますね。

ダイクロイック:さらに珍しい、1つの目に2色

オッドアイよりもさらに珍しいのが、ダイクロイック。これは、1つの目の中に2つの色が混在している状態です。虹彩の部分的な色素異常で、セクトラルヘテロクロミアとも呼ばれます。

遺伝的な変異によるものですが、健康上の問題はありません。非常に珍しい現象で、実際に見ることができたら、それはとてもラッキーなことなんですよ。

品種によって決まる瞳の色

品種ごとに固定された色

猫の品種には、それぞれ特有の瞳の色があります。これは品種標準として定められているんです。シャムは必ず青い目、ロシアンブルーは緑の目、ブリティッシュショートヘアは銅色の目。トンキニーズはアクアカラー、アビシニアンはゴールドから緑。

品種を見れば、ある程度瞳の色が予想できるんですね。逆に言えば、品種標準に合わない瞳の色の猫は、純血種としては認められないこともあるんです。

毛色との不思議な関係

面白いことに、毛色と瞳の色には相関関係があります。白猫には青い目が多く、黒猫にはゴールドから緑の目が多い。三毛猫にはゴールドが多くて、ポイント柄(シャムのような模様)の猫は必ず青い目。タビー(縞模様)の猫は様々な色になります。

これは、毛色の遺伝子と瞳の色の遺伝子が関連しているから。遺伝学って、本当に面白いですよね。

健康との意外な関係

白猫と青い目:聴覚障害のリスク

さっき少し触れましたが、白猫で青い目を持つ猫には、聴覚障害のリスクがあるんです。これは遺伝的な関連が証明されている事実。片目が青い場合は約40%、両目が青い場合は約65〜85%の確率で、先天性の難聴があると言われています。

これはW遺伝子の影響で、内耳の発達に異常が起きるため。病気ではなく、遺伝的な特徴なんです。もし猫カフェで白くて青い目の猫に会って、呼びかけても反応が薄かったら、もしかしたら耳が聞こえないのかもしれません。優しく接してあげてくださいね。

瞳の色が変わったら要注意

成猫になってから瞳の色が急に変わったら、それは病気のサインかもしれません。濁りが出てきた、充血している、瞳孔の大きさがおかしい、左右で違いが出てきた...。こういった変化があったら、すぐに獣医さんに相談してください。

子猫の時の色の変化は自然な成長過程ですが、成猫での変化は要注意なんです。

瞳の色と視力の関係

色によって見え方は違う?

「青い目の猫は、黄色い目の猫より視力が悪いの?」って思ったことありませんか?答えは、基本的にノーです。瞳の色による視力の差はほとんどありません。

ただし、青い目の猫はやや光に弱い傾向があると言われています。でも、夜間視力は同等だし、猫の色覚も瞳の色とは無関係。個体差の方が大きいんです。瞳の色は、視力にはほとんど影響しないんですね。

年齢とともに変わる瞳

高齢猫の目の変化

猫も年を取ると、目に変化が現れます。わずかに色が褪せてきたり、水晶体が濁って白内障になったり。虹彩が萎縮することもあるし、瞳孔の反応が鈍くなることも。

これらは加齢による自然な変化です。でも、定期的な検査は重要。早期発見、早期治療が、猫の視力を守ることにつながります。

美しく撮影するコツ

自然光で撮影すると瞳の色が最も美しく写ります。フラッシュは猫が嫌がるだけでなく、赤目になるので避けましょう。

瞳の美しさを引き出す撮り方

猫の美しい瞳を写真に残したいですよね。そのためのコツをいくつか。まず、自然光が最適です。蛍光灯や白熱灯だと、色が変わって見えてしまうから。フラッシュは絶対に使わない。猫が嫌がるし、赤目になってしまいます。

瞳孔が開いている時が、撮影のチャンス。瞳の色がより鮮やかに見えるんです。アングルも重要。猫と同じ目線の高さで撮ると、自然な表情が撮れます。背景をぼかすと、瞳がより際立ちますよ。

遺伝のメカニズム

親から子へ、どう受け継がれる?

瞳の色は遺伝します。でも、その仕組みは意外と複雑。複数の遺伝子が関与していて、優性と劣性の関係があります。親からどう継承されるか、突然変異の可能性もあって、正確に予測するのは困難なんです。

両親が青い目なら、子猫も青い目になる確率は高い。でも100%ではありません。遺伝学は奥が深くて、完全には解明されていない部分もあるんです。

猫カフェで観察してみよう

生きた遺伝学の教材

猫カフェは、瞳の色の多様性を観察するのに最適な場所。いろんな品種がいて、いろんな瞳の色を持つ猫たちがいる。品種による違い、個体差、光による見え方の変化、感情による瞳孔の変化...。

オッドアイの猫を探してみるのも楽しい。猫カフェは、生きた遺伝学の教材なんです。じっくり観察してみると、新しい発見がたくさんありますよ。

日々のケアも大切に

美しい瞳を保つために

美しい瞳を保つには、日常的なケアが大切です。目やにはこまめに取り除いてあげて。涙やけのケアも忘れずに。異常があったら、早めに気づいてあげること。定期的な検診も重要です。

紫外線対策も、実は大切。猫も人間と同じように、紫外線で目が傷むことがあるんです。窓辺で日向ぼっこするのは良いけれど、長時間の直射日光は避けた方が安心ですよ。

まとめ

猫の瞳の色は、虹彩のメラニン量で決まります。メラニンが少ないとブルー、中程度でグリーン、多いとゴールドからカッパー。シンプルな原理ですが、そこから生まれる美しさと多様性は無限大。

全ての子猫は青い目で生まれて、生後3〜4ヶ月で最終的な色が決まります。シャムは必ず青、ロシアンブルーは緑など、品種特有の色も。白猫の青い目には聴覚障害のリスクがあって、片目青で約40%、両目青で65〜85%の確率。オッドアイは白猫に多く見られる、希少で美しい特徴です。

瞳の色は視力にはほとんど影響しません。でも、成猫になってからの急な色の変化は、病気のサインかもしれないので要注意。猫の瞳の美しさと多様性は、複雑な遺伝の産物なんです。

次に猫に会った時は、ぜひその瞳をじっくり観察してみてください。そこには、遺伝子が作り出した小さな宇宙が広がっているはずです。


この記事は、にゃんこDB事務局が作成しました。

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