南アジアから東南アジア、東アジア、ロシア極東まで広く分布する小型の野生ネコです。日本の対馬のツシマヤマネコと西表島のイリオモテヤマネコも、この種の仲間とされています。家猫と交配して作られた猫種ベンガルのもとになった動物として知られています。
ベンガルヤマネコ Leopard cat
Prionailurus bengalensis (Kerr, 1792)
アジアに広く暮らし、猫種ベンガルのもとになった野生ネコ
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概要
基本データ
| 学名 | Prionailurus bengalensis |
|---|---|
| 命名者 | (Kerr, 1792) |
| 分類 | ネコ亜科 / ベンガルヤマネコ系統 / Prionailurus |
| 階級 | 種 |
| 頭胴長 | 45〜65 cm |
| 尾長 | 20〜30 cm |
| 体重 | 1.6〜8 kg |
| 分布 | アジア・日本 |
| 生息環境 | 森林・草原・山地 |
| 活動時間 | 夜行性・薄明薄暮性 |
| IUCN レッドリスト | LC 低懸念 |
| ワシントン条約 | 附属書II |
| 国内の指定 | 国内の集団(ツシマヤマネコ・イリオモテヤマネコ)は国内希少野生動植物種・天然記念物 |
見た目の特徴
小さなヒョウのような姿で、脚は長く細めです。丸い頭に大きく丸い耳をもち、耳の裏は黒地に白い斑点があります。淡い黄褐色の地に黒い斑点が散らばり、腹側は白く、額から首にかけて縦の縞が走ります。北の地域の個体ほど毛が長く、色も淡くなります。大きさは地域による差が大きく、北に行くほど大型になります。
生態
おもに夜間や明け方・夕方に活動し、単独で暮らします。ネズミ類を中心に、ノウサギ、鳥、爬虫類、両生類、昆虫、魚まで幅広く食べます。泳ぎが上手で、沖合の島にも定着しています。木登りも得意です。妊娠期間はおよそ2か月(56〜70日とする資料があります)で、1回に1〜4頭、ふつうは2〜3頭の子を産みます。
分布と生息環境
南アジアから東南アジア大陸部・マレー半島、台湾、中国東部、朝鮮半島、ロシア極東まで広く分布します。日本では対馬と西表島にすんでいます。2017年のネコ科の分類改訂で、ジャワ島・ボルネオ島・スマトラ島などスンダ地域の島々の集団は、別種のスンダベンガルヤマネコ(Prionailurus javanensis)に分けられました。
熱帯雨林から温帯の広葉樹林、針葉樹林まで幅広い森林にすみ、農地の周辺でも暮らします。海抜0mから標高4,000mを超える場所まで記録があります。
家猫との関係
猫種ベンガルは、ベンガルヤマネコと家猫の交配から世代を重ねて作られた家猫の品種です。意図的な交配として知られる最初の例は1963年で、その後の育種を経て、国際的な猫の登録団体 TICA が1986年に新しい猫種として受け入れました。ただし、ベンガルヤマネコは今の家猫の祖先ではありません。家猫の祖先はアフリカ〜中東のリビアヤマネコです。
関係する猫種
ペットとして飼える?
ベンガルヤマネコ は野生動物で、ペットとして飼うべき動物ではありません。見た目が家猫に似ていても家庭での暮らしには向かず、多くの国で捕獲や取引が法律や条約で規制されています。野生の姿を知り、すみかの森や草原を守ることが、この動物のためにできることです。
保全状況
分布が広く個体数も多いため、IUCN レッドリストでは低懸念(LC)とされています。一方で、生息地の減少や分断、毛皮や肉を目的とした狩猟、くくり罠、交通事故、ペット取引、家禽を襲ったことへの報復などが脅威になっています。ワシントン条約では附属書IIに掲載され、バングラデシュ・インド・タイの個体群は附属書Iです。
ベンガルヤマネコ の亜種
発見と記載
1792年、ベンガル地方の沿岸に由来するとされた個体についての先行する記述をもとに記載されました。学名の bengalensis は「ベンガルの」という意味です。長く1種とされてきましたが、2017年の IUCN ネコ専門家グループによる分類改訂で、大陸のベンガルヤマネコとスンダ地域のスンダベンガルヤマネコの2種に分けられました。
豆知識
- この図鑑ではイリオモテヤマネコとツシマヤマネコをベンガルヤマネコの仲間とする分類を採用しています。この分類では、日本に自然分布する野生のネコ科動物はベンガルヤマネコだけです
- 泳ぎが得意で、大陸から離れた島々にも暮らしています
- 中国で標高4,500mを超える場所での記録があります
よくある質問
はい。対馬のツシマヤマネコと西表島のイリオモテヤマネコが、ベンガルヤマネコの仲間とされています。どちらも法律で厳しく守られています。
違います。ベンガルヤマネコは野生の動物で、猫種ベンガルは、ベンガルヤマネコと家猫の交配から世代を重ねて作られた家猫の品種です。
野生動物なので、ペットとして求めるべきではありません。国際的な取引はワシントン条約で規制されています。日本のツシマヤマネコとイリオモテヤマネコは、種の保存法により捕獲や譲渡などが原則として禁止されています。